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国産ワインコンクール2009 (1)

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昨日は、富士屋ホテル@山梨県甲府にて開催された

国産ワインコンクール2009の

一般公開テイスティングに潜入してきました。

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年間最大の、日本ワインのコンクールで

全国各地のワイナリーから自信作がエントリー、

今年は680もの銘柄が審査されました。

 

日本ワインの人気の高まりを象徴して、

一般公開テイスティング募集300名が、

受付初日であっというまに満員御礼。(スゴイですね)

 

開催目的と審査過程はこんな感じ

 

【目的】

国産原料ぶどうを使用した国産ワインの品質と認知度の向上を図るとともに、

それぞれの産地のイメージと国産ワインの個性や地位 を高めるため、

国産ワインコンクールを開催します。

 

【審査】

(1)審査方法

・官能審査による審査とします。

・審査は一次審査及び本審査に分けて実施します。

・一次審査は20点満点で採点します。平均点12点以上を本審査の対象とします。

・本審査は20点満点で採点します。

(2)審査員

・外国人審査員を含め24名程度

・外国人審査員、国税庁、酒類総合研究所の専門家、各主要ワイン産地組合の代表、有識者等

 

金賞、銀賞、銅賞、奨励賞と分けられた受賞ワインは合計268。

今年もほとんどのワインをテイスティングしてきました。

(前日は完全休肝日&睡眠万全の体制で突入しました。笑)

 

で。

 

今年の印象を一言にまとめあげるならば

「印象に残ったワインが、ほとんどない。」

 

会場でいろんな方に「たこやきさん、なにかいいのありました?」と

声をかけていただきましたが

「うーん・・・えっとですね・・・」と、ついつい、うなってしまいました。

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受賞ワインリストを見たときにある程度イメージはありましたが

実際にテイスティングを進めていくうちにハッキリしてきました。

 

受賞上位にくるワインには、大きな傾向があるのです。

このコンクールに愛される傾向・・・とでも言えるのでしょうか。

 

「クリーンで、飲みやすく、わかりやすい」

 

クリーンなワイン造りをする中央葡萄酒や

「フィネス(繊細さ)とエレガンス(洗練性)」を追求するメルシャンは

やはり高い評価を受け、常に上位にいますし、

(※もちろん受賞にふさわしい素晴らしいワインだと思います)

 

小布施ワイナリーや丸藤葡萄酒などが良い例だと思うのですが

おなじワイナリーのワインでも「クリーンで、飲みやすく、わかりやすい」銘柄は

上位受賞しているのに対し、

熟成タイプのものや複雑な味わいのものは(クオリティーは上だと思いますが)

銅賞、奨励賞にカテゴライズされ、無人の壁際に並んでいました。

 

もうひとつ。

マスカットベリーAに、この品種で初の金賞が出ていましたが、

岩の原葡萄園のものは古典的な味わいのマスカットベリーAで、

いわゆるキャンディの典型的な香りが「クリーン」にするタイプ。

フジッコワイナリーのものは「クリーンで、飲みやすく、わかりやすい」タイプ。

その2本と最後まで金賞を競った、銀賞のアルプスワイン。

現代的な新しい味わいのベリーAで、

日本ワインに新しい可能性を見せてくれているワインだと思います。

ブースにも人が集まっていて好評を博していましたが、

こうしたハッキリとした個性を持ったワインも

このコンクールからは評価されにくいのかもしれません。

なぜか。

このコンクールの設立当初の主旨として

「認知の向上」とともに「品質向上とその評価」がありました。

日本ワインに存在していた「不思議なワイン」や「おかしなワイン」からの

完全脱却を強く決意したその現われが設立に至ったと思います。

そしてそのための審査員が集められます。

中心となったのはフランスからの審査員と、研究所などの技術系審査員、

それにワイナリー関係者など製造者系審査員に

ソムリエ系と販売店系の審査員。

この時点での「品質」が指すものは

「欠点のない、まともなワイン」だったと思います。

第1回から回を重ねること7年。

進歩を重ねてきた日本ワインは、必要な「品質」を達成したと思います。

ところが、いまだに審査員の顔ぶれは変わらず、

おそらく審査基準そのものも、大きく変わっていないのだと思います。

「クリーンで、飲みやすく、わかりやすい」欠点のなさが際立つワインが

これだけ受賞上位に並んでいることからも、おそらくそうなのでしょう。

ハッキリ言って、時代遅れではないでしょうか。

これからの日本ワインに必要なものは「個性」。

日本のワインとして各国のワインと並び立つ

アイデンティティーと存在感を示す段階に来たと思うのです。

訴えかけてくるものがある、楽しませてくれるものがある、記憶に残るものがある。

そんなワインこそが、ここからさらにファンを増やしていく「次のワイン」なのです。

もはや「次の日本ワイン」を

しっかりと評価していかなければならない段階です。

いま日本ワインはたしかに注目されています。

しかし、いつもまでも「地元びいき」の感情だけで

日本ワインが手にとられていくことはないでしょうし

変わり映えしないと受け取られた日本ワインは、

市場からどんどん退場させられていく可能性があることも

意識しておくべきだとも思います。

(もちろん僕は応援したい立場ですよ!)

審査員がいつもおんなじ顔ぶれなんですねーとか

審査のときボトルに紙巻くだけじゃあボトルネックの色と形でわかるから

先入観ポイント加算されるんじゃねーっすかとか

スペシャルにカスタマイズされたロットで出してるとこがあるとかないとか

政治力とか、まあコンクールなんでいろいろあるかもねとは思うのですが、

なんせこのコンクールの受賞結果がボトルにシールとして貼られ、

日本ワインとはこういうものだと指し示すだけの影響力のあるコンクールです。

毎年、おなじような顔ぶれのワイナリーの、

おなじようなワインが評価されるコンクールは、思考停止しているように思います。

もちろん努力と情熱によって輝く

素晴らしいディフェンディングチャンピオンの存在には敬意を払いつつも、

次のベクトルを指し示すワインや、

新しい方向性、可能性を感じるワインも同時に評価されるべきでしょう。

その視点にたてば、もっともっと評価されていいワインがたくさんあったと思います。

去年より、また新しい。

受賞ワインリストは進化する日本ワインの軌跡として

建設的、進歩的に刻まれていくべきだと強く思います。

「あらさがし」から「魅力さがし」へ審査員の構成バランスのシフト、

審査基準の見直し、公正・公平・透明な審査過程など、どうでしょうか?

「今年は印象に残るワインがなかったねー」

「去年とあんまり変わり映えしないねー」

日本ワインが飽きられてしまう前に。

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