ワイン原料不足 メーカー?苦汁?甲州種ブドウ不作続き安定供給へ決め手なく@山梨日日新聞

うーん、悩ましい問題ですよね・・・。

 

甲州種ワインの原材料となる甲州ブドウ(甲州種)の収穫量が今年、不作だった昨年をさらに下回る見通しとなり、評価が高まる甲州種ワイン醸造を増やしたいメーカーは頭を悩ませている。受粉期の天候不良に加え、単価が高い他品種の栽培に切り替える農家が増えるなどし、安定した量が確保できないのが原因。甲州市や県は、甲州種の安定供給を目指す取り組みを始めたが、抜本的な対策はなく、当面は需要と供給のバランスが不安定な状況が続きそうだ。

 10月中旬、甲州種の主産地・甲州市勝沼町のブドウ棚で淡い赤紫に色づいた実がたっぷりと日を浴びていた。ただ、例年は房にびっしりとついているはずの実がまばら。「房がすき間だらけで房の数があっても量がなかなか伸びない」。勝沼町下岩崎の栽培農家、保坂高水さん(50)は収穫する手を止め、ため息交じりに話した。
 JAフルーツ山梨勝沼支所によると、5月下旬に気温が低い日が続いたため受粉が十分されず、実が少ない房が増えたことで収穫量の減少につながった。
 各ワインメーカーが希望する同JAとの取引量は年間約700トン。一方で出荷見込み量は病害で不作だった昨年の419トンを下回る約360トンで、「さらに減る可能性もある」(同支所)。

市場拡大を期待

 近年、甲州種ワインは和食に合うワインとして注目され、国産ワインコンクールでも高評価を受けている。海外での和食ブームに合わせ、県ワイン酒造協同組合はEUへの輸出を目指すプロジェクトをスタート。市場拡大が期待される甲州種ワインづくりに力を入れるメーカーも多い。
 甲州市にワイナリーを構えるメルシャン(東京)は甲州種の風味を生かした新商品を開発し、今秋から東京都内などで販売を始めたばかりだ。担当者は「甲州種ワインの注目度は高く、当初は昨年より2?3割増産する予定だったが、ブドウが手に入らずに生産量はほぼ横ばい。今後は直接売買する契約農家を増やさないと増産は難しい」と話す。
 EU輸出プロジェクトに参加している中央葡萄酒も「販路拡大のチャンスだが、昨年もブドウが少なく2年続けて思い通りに増産できない」と肩を落とす。

 栽培面積も減少

 不作に栽培面積の減少も追い打ちを掛けている。農林水産統計では県内の甲州種の栽培面積は1990年代初頭をピークに年々減少。2006年度には448ヘクタールまで減り、収穫量もピーク時の半分以下に当たる7060トンに落ち込んだ。
 限られた農地で効率よく収入を上げようと、1キロ当たりの単価が甲州種の約3倍となる、ピオーネや巨峰などの生産に切り替える農家も多い。高齢化に伴う耕作放棄も減少の一因だが、ある生産農家は「かつて収穫量が多かった年は逆にメーカーに買い取ってもらえないこともあり、不安感を持つ農家が多い」と指摘する。
 県は8月、メーカーや生産者が安定した収穫量の確保や取引の在り方について考える意見交換会を開催。甲州市も本年度から、甲州種を栽培する農家への助成金交付制度をスタートさせている。
 農家と直接契約を結び、豊作、不作にかかわらず買い取るメーカーも出てきているが、県果樹食品流通課は「現状ではすぐに安定した収穫量を回復するのは難しい。農家とメーカー双方が将来的な展望に立ち、歩み寄ることが必要ではないか」としている。

 

山梨日日新聞

http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/11/15/1.html


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です