東北のワイナリーのいろんな試みは
これから!の産地だからこそ、なんかスピード感が感じられますね。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100405_13
紫波町は農地に木質チップを敷いて耕す「土ごと発酵」の実証試験を町内で実施し、ブドウの生育が大幅に改善することを確認した。木質チップを土壌と一緒に発酵させ、土の団粒化を進めることで土中のミネラルなどが果樹に吸収されやすくなり、果実の品質が向上した。町は今後、農家への普及を進める考えで、間伐材や流木を農地に循環させる試みとして注目されそうだ。
土ごと発酵は同町遠山の第三セクター紫波フルーツパークで、2008年秋からワイン用、生食用ブドウ畑計200アールで実施。木質チップを厚さ10センチほど敷設し、データを収集している。同町が国交省との契約で受け入れているダムの流木をチップ化して使用した。
昨年秋に収穫したワイン用ブドウの7?10月のデータは、糖度や果粒径など4項目で土ごと発酵をしない農地よりも高品質な果実の数値が得られた。果樹の節間(せつかん)が短く太くなり、葉が増えて樹勢が増した。
農地の表層を浅く耕し、有機物のチップと土壌を発酵させることで微生物が排出するアミノ酸やミネラルで土壌の団粒化が進む。ブドウ畑は粘土質の土壌が多いが、水や空気が通りやすく、ブドウの生育に必要なミネラルなどが吸収されやすくなる。
農地で直接土をつくることで、大量の堆肥(たいひ)を運び入れるより省力化が図られる。樹勢が安定し、栽培作業の労力も軽減した。
10年度は紫波フルーツパークの委託事業として、ブドウのほか地元生産者団体と連携しキュウリでも実験。ワイン用ブドウ生産者2戸も土ごと発酵に取り組み始めており、町はさらに農家への普及を目指す方針だ。
町農林課の中田久敏課長は「輸送経費がかかり林地に放置されている間伐材を活用できる可能性もある。地元で出た有機資源を地元で使い、循環を進めたい」と説明する。