2013年最初のワインは・・・ワインではなく書籍です。
とても大好きな本なので、ずっとここで紹介してみたかった一冊で、
それがこの『世紀のワイン VIN DU SIÈ CLE』です。
1999年にMichel Dovazさん(※フランスの大御所ジャーナリスト。
パリ・テイスティングでも審査員を務めた)が書いた本を、
2000年に山本博さん(※日本ワインを愛する会会長、著書超多数)監修のもと
日本語版として発行されたものです。
1900年から2000年までに誕生した偉大なヴィンテージの数々を、
ワインにまつわるエピソード、社会情勢とともに振り返って総括するという、
20世紀の終わりを迎えたタイミングに世に出すにふさわしい内容です。
掲載されている写真も時代を映した興味深いものばかりで、
1900、1911、1921、1928・・・と、
見ているだけで当時の空気を吸っているかのような気分に。
この発想というか、アイデアがとても素敵だなあと、
ついつい何度もながめてしまうのです。
もちろん、この本に記載されている内容や情報も、とても緻密で濃密。
もう飲むことのないヴィンテージたちですが、
ワインが今日へ至る道のりのなかで、何があったのかを知ることができ、
とても示唆に富んでいて面白いです。
ヴィンテージというと「良い年だ、ダメな年だ」というように使われがちですが、
ワインの醍醐味は「ヴィンテージ=その年を飲む」ことにもあると思うのです。
もちろんワインの出来が良いと言われる年に、
どっさり買い貯めるというのも、それはそれで楽しいのですが、
「この年になにがあったかなあ、自分はどうしてたかなあ。」
そんなことを思い出しながら楽しむことができれば、
どんなヴィンテージも楽しくて、ワインの世界がひろがるような気がしませんか。
2010年、2011年、2012年、(そして2013年、)といったヴィンテージの
ワインが続々と登場してきますが、自分に起きる(起きた)出来事といっしょに、
1年1年を大切に、そして楽しく、飲んでいきたいですね!
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