本当に、いつも美味しくて、安定感がありますね。
つかみどころのない海外ワインより、はるかに幸せになれる一本。
特にこの2012年は、ここ数年でも抜群の完成度のように感じます。
(はやくも今年の、たこやき坊主的「甲州オブザイヤー」候補です。)
まず11月に新酒として売られますが、後にリリースされるバージョンと
中身は同じという、驚くべきお買い得ワインでもあります。
新酒として楽しむのも良いのですが、はっきり言って、もったいないです。
正月を超えると美味しさが一段と成長するからです。(今年も例年通り!)
先日、某ワイン売場で
「日本ワインは熟成しないからすぐ飲まないとねー」という声を聞きました。
「なんでやねん!」と心のツッコミをいれてしまいましたが、
このワインに限らず日本のワインは、リリースされるとすぐに飲まれてしまい、
真価を発揮することもなく、評価されて終了してしまうことが多いと思います。
もちろん、どこが飲み頃かというのは一人一人ちがっていますし、僕も、
新酒は新酒として「今年の出来は!?」とワクワクして楽しむのですが、
なんでもかんでもボージョレー祭りのように飲んでしまうのでは、
ワインの美味しさの一部を楽しめたにすぎず、損失と言って過言ではありません!
スタイル、造り、品質によっては、早く飲んでしまうべきものもありますし、
ワイナリー側が「○年後までは大丈夫ですよ」と保証して言えないですし、
(ワインの成長・熟成は、各自の保管環境にも影響されますから。)
リスクを避け、早めに現金化しておきたいというワイナリー側の経営的事情も
ワインとして飲める、飲み始められる状態に入ったところでリリースされがちな
理由にあります。
個人的には、甲州であれば少なくとも半年、
じっ・・・と待ってみたいところです。
各要素のまとまりも出てきますし、味わいがねられて、美味しさ増量だからです。
来年は、お気に入りの新酒を2本買っておいて、
飲み比べてみるのも面白かもしれません。
日本ワインもそろそろ、熟成やヴィンテージについて語られはじめてもいいような
そんな気がする、今日この頃です。
ちなみに、この『かざま甲州辛口』は新酒発売分はすでに完売とのことですが、
黒いラベルの『かざま甲州SurLie』も、オススメです。
【甲斐ワイナリー公式サイト】http://www.kaiwinery.com/
創業1834年、ワインの生産開始も1986年という、
山梨県のなかでも老舗中の老舗のワイナリー。
大きな日本家屋の外観が、歴史と伝統を感じさせ、必見です。
最寄り駅は勝沼ぶどう郷ではなく、塩山駅です。