予想通り、といいますか。
こんなワインが登場しました。
オーストラリアのJACOB'S CREEKから、
『わ』2012です。
和食にあうワインを、というコンセプトのもとに1年半かけて
実際に銀座寿司幸の杉山さんという方に監修助言してもらいながら
ワインメーカーがかたちにしていったのだそうです。
香りとしてはリンゴ系、ソーヴィニヨンの白い花系が中心で、
ごくり・・・とテイスティングしてみると、印象としてはまず
フルーツの押し出しが控えめで、確かに和食対応ですね。
(RWGにも書きましたが、このポイントは結構ポイントな気がしています。)
爽やかですっきりとしたスタイルですが、香りの印象よりもボディはあって、
シャルドネが多いせいか細すぎるでもなく、
樽のニュアンスもわずかにうまく活かされていて、
味わいのふくらみと最低十分の複雑さがデザインされています。
酸のキレやミネラル感はありますがソフトめ。
アルコール感も意識しないですね。(※13%)
余韻は、どちらかといえばソーヴィニヨンよりもシャルドネ的。
当然、スクリューキャップ。ラベルも印象に残ります。
(※日本ワインもデザイン、もっとちゃんとしたほうがいいと思います!)
希望小売価格1680円。
超美味しい!ということではないですが、
無理なく価格に見合った、リラックスなワインですね。
グラスで売ったら、けっこう儲かるのではないでしょうか(笑)。
で、こっそり、あれこれ事情聴取。
品種構成はシャルドネ60%、ピノグリ30%、ソーヴィニヨンブラン10%。
シャルドネのうち半分はアデレードのものを樽熟させたもの。
なるほど、ピノグリが全体を和の雰囲気に寄せつつ、
まとめ役として調和させているような印象で、なるほど比率です。
まずは3月1日から日本で先行発売で、
さっそく大ヒット中だそう。
年間通して安定供給すべく年産1万本くらい。
まずは白で、今後の展開として、ロゼ、赤と計画。
日本市場は、先行販売的な意味合いもあり、
和食ブームを見据え、世界でのWASHOKUマーケットを狙っている
とのことです。
飲み食べ合わせでどうなんだろう?と
食卓で実践してみたいところです。
リアルワインガイドや先日の高畠ワイナリーメーカーズディナーでも
ちょこっと話させていただきましたが、いまちょっと、
「飲んで応援!」「情熱を尊敬!」というだけでは・・・と感じています。
今後も一定量は、
日本ワインを応援する圏内が消費すると思いますが、
そこから半径を広げるとすれば、そこにいるのは
世界のワインを知っている人たち。
そこは、関係者ばかりが集まる自主制作映画シアターではなく、
洋画も邦画もハリウッド映画も観ますよという、
ウルサイ観衆があつまる劇場。
彼らは「ワイン」も「WINE」としてとらえるでしょう。
「買う理由があるか」「店で使う理由があるか」を
右手に日本ワインを、左手に海外ワインを持ちながら。
彼らが1年に飲むワインを50本だとすれば、
定数50の議会で、どの国が(どの地域が)議席を確保できるかという
いわば選挙戦。
俺のワインは飲めばわかる、と言いたげな海外生産者のワインも、
なんだかやっぱり「伝わってくる」ラベルだったりします。
そういう部分も、畑からつづく良いワインづくりの一部だと思うんです。
せっかくの美味しいワインが、薄まることなくしっかり伝わるために、
ヴィジョン、クオリティ、オリジナリティを「世界基準」で
戦略的に備えておくことも、そろそろ重要ではないでしょうか。
◆公式サイト http://www.jacobscreek.jp/wa/top.html
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